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田嶋幸三氏講演会

10月8日に、筑波大学の学園祭「雙峰祭(そうほうさい)」にて、日本サッカー協会専務理事田嶋幸三氏による講演会『2006年ドイツW杯から未来へ』が行われました。
そのときの講演内容について記しておきます。
一部、メモを取れなかった部分があるので、不鮮明な部分があるかもしれませんがご容赦ください。

(一部敬称略)

JFA2005年宣言について(場内で知っている人を質問したところ1名)
サッカーを通じて社会貢献を行っていく。
-2015年までに世界トップ10に入る
1.サッカー協会登録人数を500万人へ
2.代表チームを世界トップ10の実力へ
-2050年までに
1.サッカーファミリー(登録人数だけでなくボランティアなども含めた数)を1000万人にする
2.W杯日本開催とその大会での代表の優勝

協会登録人数の増加について
・大学入学時に減少
・社会人ではまた増加している
→大学での協会登録人数をいかにして増やしていくか(協会に未登録のサークルや同好会などのチームの選手を登録させる)
 ここを増やすことで、より底辺の拡大に繋がる
・女子の場合には、中学での減少が著しい(中学に女子サッカー部が少ないため)
→女子のクラブを作るところに補助金を出すようにして部を増やす

W杯の「総括」とは
・一般的に「総括」と言う人たちは敗戦による責任問題、進退について述べる人が多い
→「総括」は進退だけの話ではなく、今後どうしていくかが重要
 W杯の分析を行うことで、未来へとつなげていくことが「総括」
監督を解任してよくなった例は世界でも少なく、むしろ、失敗した例の方が多い
川淵さんにしろ自分にしろ叩かれたが、辞めることだけが責任を取るのではなく日本サッカーを育てていくことが責任を取ることだと思う


ドイツ大会での総括

戦術の決定を下す場合
1.自分たちの選手の能力
 ・W杯前から予選突破は難しいと分析していた
 ・空気の理論(練習場や空港での雰囲気、マスコミの煽りから勘違いして周りが見えなくなってしまった)
2.相手の長短を見極める
3.戦術による利益とリスク

相手の分析
・オーストラリア
 日本は高さに弱い→高さ対策で箕輪を試した
          ジーコは実績を大事にする監督だったので、選ばれた選手たちより彼が序列が上になることがなかった
・クロアチア
 ドイツへの移民が多い→ホームのような雰囲気で戦える
・ブラジル(言わずもがななので、時間の都合上省略)
※主力選手についての考察等もあったがメモしきれず

事前分析
・ブラジルが抜けており、そのあとにクロアチア
・日本とオーストラリアが張っているのではないか

ブラジル戦には大勝するしかない状況になってしまった
ブラジルは守備が比較的穴なので、ある程度やれるのではないかと考えていた
戦術には大きく3つに分けられる(攻撃的、カウンター、守備的)
それぞれ、利益が高くなるほどリスクも高くなる
前半はやりたいサッカーができていたが、後半にはできなかった
ドイツ大会は3試合とも体力が続かず、やりたいサッカーが3試合ともできなかった

2005年11月からオシムとは交渉
総括とは、日本戦だけではなく、W杯の全試合について分析すること

2006年大会について
・前回大会に比べてレベルの高い大会
-ヨーロッパ開催による環境
-スケジュール
-前回大会の反省点をきっちりと埋め合わせしてきた
・(イタリアを例に取り)日本の場合は層が薄かった
・カウンターの減少
-前回:一瞬の隙をつく攻撃(ボールを奪ってから7秒以内のゴールが多かった)
-今回:多くの国が対策をしてきた
   前線からのプレス(FWからの守備)
   硬い守備を組まれてからでは得点は難しい
・日本場合:前半は出来ていたが、後半から駄目だった
・逆転の難しい大会(多くの場合先制したチームが勝利した)
・守備のしっかりした国が勝った(イタリア、フランス、ポルトガル、イングランド)

日本の課題
・日本のスタイルの確立
-世界を分析
--日本に足りないものを分析
-日本の長所を活かす
--メンタリティ
--切り替えの速さ(※俊敏性かな)
--コレクティブ(組織的)
--ディシプリン(規律)

・課題克服のためのフィードバック
短期→主に代表
中期→ユースや指導者の指導
長期→普及活動等

代表がすべきこと
・ディフェンスの強化
-2005コンフェデレーションズカップで出来たこと
スキルを活かしたアタック
日本独特のつなぎ
前を向いてからの1対1
→プレッシャーの中で出来るのか
 W杯では前半までしかできなかった
詳しくは2006FIFA ワールドカップドイツ オフィシャルライセンスDVD 「JFAテクニカルレポート」(仮)

中期
・長身選手の発掘
-ユース年代の選手の骨年齢などを測り、将来どれくらいの身長になるかを割り出している
・ストライカーの育成
-釜本以来出てきていない
-ここが一番難しい
・1対1での競り合い
-すぐ笛を吹くので倒れる選手が多い
-審判にアプローチすることで解決するようにする
・特徴ある選手の発掘
・コミュニケーション能力の育成
-自分の意見を述べることが出来る人を育てる
-日本の場合国語教育が悪い
-論理的に意見を述べることが苦手な場合が多い(1つの答えを出すと言う意味ではなく、順序立てて物事を説明するなど。オシムの場合、たまに無茶な論理を言う場合があるか、ものすごく論理的)
-パス一本にも意味を持たせる(どうしてそういうパスをしたのかと選手に問うと、日本:コーチの顔色を見てしゃべる ドイツ:はっきりと意見する(誰々にスルーパスをしたつもりがそいつが走らなかった。彼が走らなかったのが悪い等))
-どうしてそういうプレーをしたのか?を言えるように
・よりスキルの高い選手の育成
-バッチテスト等の導入
→日本のストロングポイントを伸ばすことが重要
代表の課題=日本の課題

2003年の取り組み
・指針を示す
・トレセンの強化
・国体のU-16化
U-16年代
・トレセン、国体のU-16化
ユース年代
これまでは高3に偏りがあった(1,2年にはなかなか公式戦の機会がない)
高校別でも、年間何十試合もあるところから、年数試合しかないところまで(公式戦)
国体のU-16化
→1,2年の強化を各協会が行うようになった(中学の強化にもつながっている)

全体としての強化プログラム
・エリートプログラム
→アジアジュニアユース杯優勝メンバーに8人
・JFAアカデミー福島

オシムのキャプテン像
→うまい選手がキャプテンになればいい(みんなが素直にその人の言うことについて行ける人物が自然とキャプテンとなる)

エリートプログラム
→リーダーとなる人材の育成
 個を伸ばす

世界トップ10入りには
個を伸ばす
・才能ある選手
・素晴らしい環境(指導者やライバルなど)→JFAアカデミーの校長にはクレールフォンテーヌの元校長デュソー氏
・本人の努力
→世界に通用する選手を育成する必要がある
女子選手の強化
・他のスポーツの選手をスカウトしてくる
-女子の方が男子よりもハングリーで世界に早く通用するのでは?
キッズ
・サッカーを通じて躾を行う

基本はサッカーを支える人を増やす
エリートプログラムはそれを基盤する中での位置づけ
底辺の拡大が重要

キッズの育成
いろいろな成功したスポーツ選手を分析すると...
・父親からの影響が大きい
・幼少期から育成をうけている

指導者の育成
・ベクトルとスカラー
サッカーはベクトル
みんなそれぞれ違う方向を向いていた(例として、三菱のサッカーが好きとかヤンマーのサッカーが好きとか)のでは、日本サッカー界を大きく進ませることは難しい
海外のサッカー(トップレベルのサッカー)を分析することで、指導者のベクトルを同じような方向に向かわせる

まとめ
W杯ドイツ大会での日本の反省
・事前のドイツ戦が(ジーコの集大成的なものとなり)ピークになってしまった
→コンディショニングのミス
-事前の親善試合の相手として強豪国と絶対勝てる国をあげられ、ドイツとマルタを選んだが、結果的にドイツがピークになってしまい、マルタ戦もうまく行かなかった
-本来はオーストラリア戦をピークに持って行くべきだった
・チャレンジングスピリットの欠如
→ドイツ戦に勝ったこと(※発言のまま。引き分けの間違い)で空気を読み違えた。チャレンジングスピリットを持って臨まないといけないところを強豪国と同じような気持ちで臨んでしまった

成長は
世界大会→分析/評価→課題抽出→課題の克服
のループである

・データの分析
暗黙知→形式知
パススピードの速度など、それぞれが思っていることは違う。それらを実際にデータ化することで標準化を行う
個人知→チーム知
ジーコのやったことを分析して、データ化することで全体としての知識としていく


FAQ
Q1.中田英寿について
個の強さから孤立していたようだったが、実際はどうだったのか
A.休みの時などに一人でいるのはひでのスタイル
ひでは言うべきことははっきりと言う人
そういうことを嫌と取る人が多かった
クラブでもレギュラーでなくなったことでオーソリティがなくなった
イラン戦後はみんなが意見を言うようにはなった
ひでが浮くようになったのはいけなかった
両方に問題があった
それはコミュニケーションスキルの欠如にある

Q2.トルシエからジーコでは方向性が違うと思うのが
A.マスコミは対立構造を作りたがるがトルシエは良い奴だったw
トルシエ→型にはめると言われていた
実際は判断能力を付けさせようとしていた
判断能力を高めるために選択肢を与えていた
トルシエの指導方法は専制的だったため、選手の間では我慢の限界だった
ジーコ→王道的
守備に関して決して勝手にやらせていたわけでなく、いろいろ指導していた
しかし、選手の判断能力がまだ思っていたよりも高かったわけではなかった
ジーコにチャレンジするには時期尚早だった
オシム→選考基準としては3つ
・W杯につれていける
・日本を知っている
・高度な技術を持っている
外国人、日本人を問わずいろいろ名前は挙がった(○ー○○○の監督、○○○の監督、元○○○○の監督など)
トルシエにしても、ジーコにしてもデータ化をしているので、別に一貫性がないわけではない

Q3.松井について
ドイツ大会では選考から漏れてしまったが、どうして選出しなかったのか
A.当落線ギリギリのところにいたのは事実
しかし、ジーコは実績を非常に大事にする監督
中盤の選手などを見たときに遠藤などと比べて、選考直前に活躍したが序列が上回ることがなかった

Q4.Jリーグの話が出てこなかったが、どう思っているのか
海外と比べてプレスに劣ると思うが、Jの育成についてはどう思っているのか
A.もちろんJリーグが強くならないことには駄目。時間の都合上話せなかった
Jのユースには不満
ユースが高校に負けるのはおかしい
勝って当然と言うのが普通ではないのか
ユースの目標は同年代の試合に勝つことではなく、トップで使える人材の育成であるはず
しかし、指導者で意欲的な人が高校の方が多い
今後はもっとユースは結果よりはトップへ人材を送ることを目標とするべき
Jリーグのレベル自体は上がっているとはっきり言える

Q5.日本人は体格で劣ると言うが、日本人はサッカーに向いてないのではないか
A.日本人が向いてないとは思っていない
思っていたら、こういう仕事はしていない

Q6.エリートの育成と言うが、他の競技との取り合いにならないのか
A.取り合いになるとは考えていない
むしろ、共存できればいいと考えている
女子のスカウトの場合と同様に、他のスポーツであぶれている人材の発掘や逆のことのあると思う
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